葬儀を行う際に気を付けること
大切な人が亡くなった時に…
納得のいく葬儀を行ってくれる葬儀社が見つかったら、次は実際に葬儀を行う際に喪主として大切なことを覚えておきましょう。
①喪主の決め方
葬儀を行う際にまず一番最初に喪主を決めなければいけません。
喪主となる人は、血縁関係が一番近い等故人と一番近しい方がなること一般的です。
ですが、喪主の決定方法に法的な決まりはなく、社会的に定まった決め方といえるものはありません。
誰が喪主を務めるかは遺族が話し合って決めるべきものであり、遺族が合意できるのであれば誰が務めても問題ありません。
故人と一番近しい方がご高齢の場合、喪主とは別に施主を立てる場合もあります。
また、喪主が複数人いても問題はありません。
※喪主と施主の違いとは※
喪主…遺族の代表としてお葬式を執り行う、遺族の代表者
施主…葬儀の金銭面を負担し、葬式を運営する
最近では、喪主と施主を兼任するケースが一般的になってきています。
➁服装や身だしなみについて
一般的に喪服であればいいのでは?と思いがちですが、喪主と参列者では喪服の格式が違います。
喪主の場合、参列者との違いを出すため、参列者より高い格式の礼服を着用します。
礼装において、もっとも格式の高いのは「正式礼装」です。
葬儀での正式礼装は「正喪服」とも言われます。また、正喪服には和装と洋装があります。
◎男性の場合
和装…いわゆる「紋付袴」と呼ばれるものです。
5か所に紋にあることが、正喪服の特徴となります。
そして、白の半襟、白か黒の足袋、黒の鼻緒の草履を合わせます。
洋装…いわゆる「モーニングコート」と呼ばれるものです。
モーニングコートは通常のコートと違い、上着の後ろが膝上辺りまで長いものです。
モーニングコートの中は白のワイシャツを着用し、
上着、ベスト、ズボン、ベルト、ネクタイ、靴下、靴、ハンカチは全て黒色で統一します。
※ベストに白襟が付いている場合、取り外しができるものは外しましょう。
また、モーニングコートは通夜式では着用しません。通夜式にはブラックスーツを着用しましょう。
◎女性の場合
和装…一般的に羽二重に染抜きの五つ紋で黒無地のもの
関西地方では一越ちりめんを正式とする場合もあります。
帯揚げや小物は黒でまとめ、男性と同じく鼻緒が黒の草履を履きましょう。足袋は白が望ましいです。
和装の際はアクセサリーは着用しません。
洋装…肌の露出を控えた黒のワンピースやアンサンブル、スーツなどのフォーマルウェアが基本となります。
洋装の際にアクセサリーを着用する場合、1連の真珠のネックレスが望ましいです。
真珠は「涙の象徴」ととらえられているため、悲しみが長引くととらえられるロングのものや、不幸が重なることを連想させる2連以上のもの、
チェーンの部分がゴールドのものは避けましょう。
また、喪服にアクセサリーは不要と考えるところもあります。事前に確認しておくことも必要です。
③通夜当日について
通夜当日を迎えた際、まずは会場の準備をします。
①供花や供物の並べ方の確認と、贈り主の確認
祭壇の両脇に飾る供花と供物の準備をします。
贈り主と数を確認後、供花を並べますが、供花の並べ方にはルールがあります。
生前、故人との関係が深かった人から贈られたものを祭壇に近く、また、上の段に置かれるように葬儀社の方へ依頼します。
一般的な優先順位は親族(故人の夫妻、子供、兄弟、孫、親戚等)、次に親しかった友人や知人、会社関係の方の順に並べます。
ただ、故人の社会的地位などにより変わる場合があるので、不明な点は葬儀社の方に確認しましょう。
➁葬儀社と進行の確認
供花や供物の確認が終われば、次は席次や焼香の順序など確認しましょう。
座った順番に焼香をするため、座席の配置にも配慮が必要です。
基本的に喪主が棺に一番近い席に座ります。
そして、祭壇に向かって右側に遺族、親族が座り、左側に友人や知人、会社関係の方が座ります。
スムーズに進めるため、遺族や親族の席順を予め決めておき、着席される方の名前を書いた紙を椅子に置いていきましょう。
また、親族以外の参列者は早く到着された方から座っていただきます。
③会葬礼状/返礼品の確認
葬儀社が用意した会葬礼状や、会葬返礼品の内容と数量に間違いがないか確認します。
最近では、即日返礼品という形も増えており、参列されたすべての方に同じ商品をお渡しします。
香典返しは一般的に、香典に対して半分もしくは三分の一の金額でお返しをします。
また、高額な香典を頂いた方には、後日忌明けの直後に香典の金額相応のお返しをします。
※返礼品と香典返しの違い※
返礼品:参列された方にお返しするもの
香典返し:香典を頂いた方にお返しするもの
④僧侶を迎える
開式の1時間ほど前に僧侶が到着されるので、控室へ案内します。
喪主と世話役はあいさつして茶菓子のもてなしをします。
また、このとき、読経時間や法話についての打ち合わせをします。
以上が大まかな通夜の準備となります。
大切な方が亡くなった際、後悔のないお見送りをできるよう、事前に準備をしておきましょう。