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「お施餓鬼」

こんにちは、日本仏教協会です。

長い梅雨も明け、8月は暑い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。
さて、まさに今、巷ではお盆の地域が多いですが、お盆と併せてお寺で執り行われることの多い

「お施餓鬼」「施餓鬼会(せがきえ)」「施食会(せじきえ)」

という行事をご存じでいらっしゃいますでしょうか。

お施餓鬼の由来は、一説にはお釈迦様の弟子である阿難尊者のエピソードがもとになっていると伝えられております。

阿難が修行中のこと。彼のもとに餓鬼が現れ、餓鬼は阿難に対し、

『お前は三日後に死んで、私のように醜い餓鬼に生まれ変わるだろう。
しかし、餓鬼道の衆生、あらゆる困苦の衆生に対して飲食を施し、仏・法・僧の三宝を供養すれば、
お前は死ぬこともなく、又私も餓鬼の苦難を脱することができるだろう』と言い、

金銭のない阿難はお釈迦様にどうするべきかと助けえを求めたところ、お釈迦様は阿難に、

『一器の食物をお供えして、「加持飲食陀羅尼(かじおんじきだらに)」というお経を唱えて供養すれば、その食べ物は無量の食物として一切の餓鬼の空腹を充分に満たし、あまねく苦難を救い、供養した者は寿命が延び、大きな功徳が得られる』

と仰いました。
早速その通りに阿難が供養を行ったところ、阿難は三日後に死ぬことなく救われた。

このことから「お施餓鬼」または「施餓鬼会」という法要が行われるようになったとされています。

「お施餓鬼」は現在では先祖供養としてお盆の時期に、本堂を荘厳に飾り、沢山の檀家さまのお塔婆をお奉りして、
大勢のお坊さんや檀信徒さまをお招きしてこの法要を行うお寺も多く、全国各地ではお盆の法要として親しまれております。

お施餓鬼は、真言宗などの道場では、毎夜修行者の身の安全を祈願すると共に執り行われることもあり、
近年曹洞宗ではお施餓鬼を「施食会(せじきえ)」と呼ぶお寺も多く見られます。

また、浄土真宗ではすべての者は即成仏するという考え方から「六道」や「餓鬼」という考えかたをしないため、
お施餓鬼を行わないことが多いようです。

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